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ドイツの家探しは、ImmobilienScout24などのポータルサイトで物件に応募し、内見に呼ばれるのを待つという流れで進みます。日本のように不動産屋を1軒回れば決まるものではなく、応募しても大半は返信すら来ません。
私は実際に30件応募して、返信が来たのは5件。内見に行ったのは3件で、そこから契約に至りました。数字にすると返信率は約17%です。この記事では、家探しの実際の流れと、応募のときにやったこと、ドイツの賃貸で知っておくべき仕組みをまとめます。
📑 目次
この記事でわかること
- 30件応募→返信5件→内見3件→契約という実際の流れ
- 応募文を英語とドイツ語の両方で用意した理由
- Schufa(信用情報)を持っていない渡独直後の対処法
- 敷金の上限や分割払いなど、法律で決まっていること
- 家が決まったあとに何をすればいいか
⚠️ 制度と相場は変わります。必ず公式情報で確認してください
この記事は2026年10月時点の私の実体験と公開情報にもとづく一般的な解説であり、法的な助言ではありません。家賃相場・必要書類・審査の厳しさは、都市や物件、大家さんによって大きく異なります。契約の前には必ず契約書を自分で確認し、判断に迷う場合は下記の公式情報や専門家にご相談ください。
- 民法(BGB)551条 — 敷金の上限と分割払いの根拠
- 各都市の借家人協会(Mieterverein)— 契約トラブルの相談先
私の実績|30件応募→返信5件→内見3件→契約

まず実際の数字を出します。ここを隠すと「運が良かった人の話」で終わってしまうので、正直に書きます。
| 段階 | 件数 | 通過率 |
|---|---|---|
| 応募 | 約30件 | — |
| 返信が来た | 5件 | 約17% |
| 内見に行った | 3件 | — |
| 契約 | 1件 | — |
この数字から言えること
応募の6件に5件は返信すら来ません。 これはドイツの家探しでは普通のことで、落ち込む必要はありません。人気物件には数十件から数百件の応募が集まるので、大家さんは全員に返信していられないのです。
ただし返信が来てからも、契約まで進んだのは5件中1件です。「返信さえもらえれば決まる」という話ではありませんでした。30件送って1件決まった、という全体の歩留まりで見てください。
これは私ひとりの体験なので、確率として一般化できるデータではありません。それでも応募数を確保することを勧めるのは、送らなければ母数が増えないという単純な理由からです。
読者が自分に当てはめるなら
- 30件は送るつもりで準備する。5件や10件で決まると思わないほうがいい
- 返信率2割弱が普通。無視されても物件や自分に問題があるわけではない
- 内見に呼ばれたらチャンス。そこまで来れば確率は一気に上がる
もちろんこれは私1人のデータで、都市・時期・物件のグレードによって数字は変わります。ベルリンやミュンヘンのような競争の激しい都市では、30件でも足りないことがあります。あくまで目安として受け取ってください。
どこで探すか|ImmobilienScout24とWG-Gesucht
私が使ったのはImmobilienScout24です。ドイツ最大の不動産ポータルで、長期の賃貸を探すならまずここになります。掲載数が圧倒的に多いので、応募の母数を稼ぐには外せません。
| サービス | 向いている用途 |
|---|---|
| ImmobilienScout24 | 長期の賃貸物件。掲載数が最も多い。私はここで決めました |
| WG-Gesucht | シェアハウス(WG)や、期間限定の又貸し(Zwischenmiete) |
| Airbnb・ホテル | 到着直後のつなぎ。家が決まるまでの一時滞在に |
渡独直後はWGから始めるのも手です
いきなり自分名義で長期契約を取るのは、Schufaも職歴もない状態だとハードルが高くなります。まずWGに入って住民登録を済ませ、生活基盤を作ってから本命の物件を探すという順番も現実的です。
⚠️ 詐欺物件に注意してください
「相場より極端に家賃が安い」「内見させずに鍵を郵送すると言う」「契約前に送金を求める」は典型的な詐欺の手口です。海外から探していると急ぎたくなりますが、内見せずにお金を送るのは絶対に避けてください。オンラインの内見しかできない場合も、送金は契約内容を確認してからにしてください。
応募でやったこと|英語とドイツ語の両方で書く

私が応募のときにやったのは、自己紹介の文章を英語とドイツ語の両方で用意することでした。
ドイツ語が完璧でなくても構いません。ドイツ語で書こうとした形跡があること自体が効きます。大家さんの中には英語をまったく読まない人もいるので、ドイツ語版があるだけで選択肢から外されずに済みます。逆に不動産会社や若い大家さんなら英語で問題なく通じます。
両方を1通に併記しておけば、どちらのタイプに当たっても対応できます。 翻訳ツールを使って作っておけば、あとは使い回すだけなので手間もかかりません。
書いておくとよいこと
自己紹介文に入れる要素
- 名前・年齢・国籍
- 職業と勤務先(安定した収入があることが最重要)
- 入居希望日と、想定している居住期間
- 同居人の有無、ペット・喫煙の有無
- 静かに暮らす、支払いは遅れないといった一言
大家さんが知りたいのは結局「家賃を滞りなく払い続けてくれる人か」の一点です。凝った文章より、収入の安定を示す情報を簡潔に並べたほうが伝わります。
求められる書類|Schufaが無い人はどうするか

ドイツの物件応募では、一般的に次のような書類が求められます。
| 書類 | 内容 |
|---|---|
| 身分証明書 | パスポートなど |
| 収入の証明 | 直近の給与明細、または雇用契約書 |
| Schufa(信用情報) | 支払い遅延などの記録がないかを示すもの |
| 入居申込書(Selbstauskunft) | 大家さん側が用意する自己申告のフォーム |
| 家賃滞納がない証明 | 前の大家さんが発行する書類。発行義務はない |
渡独直後はSchufaを持っていなくて当然です
ここが外国人にとって最大の壁になります。Schufaはドイツで一定期間生活し、ドイツの銀行口座を持って初めて実績が溜まるものなので、着いたばかりの人が持っていないのは当たり前です。
持っていない場合は、代わりになる書類で信用力を示すのが基本的な考え方になります。雇用契約書や給与明細で「安定した収入がある」ことを見せるのが最も分かりやすい方法です。
私自身は職に就いた状態で探していたので、雇用契約書を送った記憶があります。ただ、どの物件に何を提出したかまでは正確に覚えていません。求められる書類は物件によって本当にバラバラなので、応募先の指示に従うのが確実です。
📌 まだ仕事が決まっていない方へ
ここまで読んで気づいた方もいると思いますが、この「Schufaの代わりに雇用契約書を出す」という手は、仕事が決まっていないと使えません。渡独直後でSchufaが無く、かつ職も未定という状態だと、信用力を示す材料が何も無いことになります。
私が30件の応募で契約まで行けたのも、職に就いた状態で探していたからという面が大きいはずです。
なので、まだ就活中なら家探しより先に仕事を決めたほうが、結果的に早いと思います。私がドイツ語ゼロの状態から1ヶ月で4社の内定を取るまでにやったことは、応募先リストや実際に使った英文CV・面接の受け答えまで含めて、有料noteにまとめています。
⚠️ 提出前に確認してほしいこと
入居申込書には収入や勤務先を書きますが、大家さんが聞いてよい範囲には限度があります。また「家賃滞納がない証明」は前の大家さんに発行義務がなく、もらえないことも珍しくありません。求められた書類に不安がある場合は、契約前に借家人協会(Mieterverein)などに相談してください。
初期費用|敷金は上限3ヶ月分と決まっている

ドイツの賃貸で覚えておくと得なのが、敷金(Kaution)には法律で上限があることです。
敷金について法律で決まっていること(民法551条)
- 上限は「冷家賃」の3ヶ月分まで(光熱費などの諸費用を含まない家賃が基準)
- 3回に分けて分割で払うことができる(一括で払う義務はない)
- 大家さんは敷金を自分の資産と分けて管理する義務がある
3ヶ月分を超える敷金を求められたら、それは法律の上限を超えています。また「一括で払ってほしい」と言われても、分割で払う権利があります。知らないと言われるままに払ってしまうところなので、頭に入れておいてください。
家賃には2種類あります
物件情報を見るときに混乱しやすいのが家賃の表記です。Kaltmiete(冷家賃)は諸費用を含まない家賃、Warmmiete(温家賃)は暖房費などの諸費用を含んだ金額です。実際に毎月払うのはWarmmieteなので、予算を立てるときはこちらで考えてください。
家が決まったら、すぐやること
契約が決まったら、間を置かずに手続きが始まります。ドイツ生活は「家が決まってから」が本番です。
家が決まった直後にやること
- ① 大家さんに入居証明(Wohnungsgeberbestätigung)を依頼する 住民登録に必要な法定書類です
- ② 住民登録(Anmeldung) 入居から2週間以内が原則。予約が取りにくいので早めに動く
- ③ 銀行口座の開設 家賃の引き落としに必要
- ④ 健康保険の加入 ドイツでは加入が義務
特に①の入居証明は、家が決まった時点ですぐ頼んでおくのがおすすめです。大家さんには発行する義務があるので遠慮はいりません。これが無いと住民登録ができず、そこで止まると銀行口座も税番号も先に進みません。
住民登録の実際の流れ(予約が3ヶ月先まで埋まっていて、開庁の1時間半前から並んだ話)はドイツのAnmeldung完全ガイド|予約が取れない時の実体験にまとめています。
健康保険についてはドイツ健康保険の仕組みを解説|AOK・TKなど保険会社の選び方を、銀行口座は維持費無料でアプリだけで開設できるN26を使っています。
開設手順はN26の口座開設方法を解説|手順と必要なものを画像付きガイドに、3年使った感想はN26の評判・口コミ|ドイツ在住者が3年使った正直レビューにまとめています。移住全体の流れはドイツ移住完全ガイドをどうぞ。
よくある質問(FAQ)
Q. 何件くらい応募すれば決まりますか?
A. 私は約30件応募して返信が5件、内見3件で契約に至りました。返信率は2割弱です。ベルリンやミュンヘンなど競争の激しい都市ではさらに必要になることもあります。都市や時期で大きく変わるので、目安として捉えてください。
Q. 応募しても返信が来ません。何かまずいのでしょうか?
A. ドイツでは返信が来ないのが普通です。人気物件には応募が殺到するため、大家さんが全員に返信しないことは珍しくありません。私も6件に5件は無視されました。落ち込むより次を送るほうが早く決まります。
Q. 応募文はドイツ語で書くべきですか?
A. 私は英語とドイツ語の両方を用意しました。ドイツ語が完璧でなくても、書こうとした形跡があるだけで印象が変わります。英語を読まない大家さんもいるため、両方を併記しておくと選択肢から外されずに済みます。
Q. Schufaを持っていなくても部屋を借りられますか?
A. 借りられます。Schufaはドイツで一定期間生活して初めて実績が溜まるものなので、渡独直後に無いのは当然です。雇用契約書や給与明細など、安定した収入を示す書類で代替するのが一般的な考え方です。求められる書類は物件によって異なるため、応募先の指示に従ってください。
Q. 敷金はいくらまで請求されますか?
A. 法律で冷家賃(諸費用を含まない家賃)の3ヶ月分が上限と定められています。さらに3回に分けて分割で支払うことができ、一括で払う義務はありません。上限を超える請求や一括払いの要求には応じる必要がありません。
Q. KaltmieteとWarmmieteの違いは何ですか?
A. Kaltmiete(冷家賃)は諸費用を含まない家賃、Warmmiete(温家賃)は暖房費などの諸費用を含んだ金額です。毎月実際に支払うのはWarmmieteなので、予算を組むときはこちらで計算してください。
Q. 日本にいるうちから家を決められますか?
A. 探すことはできますが、内見せずに送金するのは避けてください。相場より極端に安い、内見なしで鍵を送ると言う、契約前に送金を求めるといったものは詐欺の典型的な手口です。到着後の一時滞在先を確保し、現地で内見してから決めるのが安全です。
まとめ
ドイツの家探しは、日本の感覚だと驚くほど返信が来ません。ただそれは普通のことで、数を送れば必ず前に進みます。私は30件でたどり着きました。
- 📨 30件応募→返信5件→内見3件→契約。返信率2割弱が普通
- 🇩🇪 応募文は英語とドイツ語の両方で用意しておく
- 📄 Schufaが無くても借りられる。雇用契約書などで収入を示す
- 💶 敷金は冷家賃3ヶ月分が上限。分割払いもできる
- 🏠 家が決まったらすぐ入居証明を依頼。住民登録が次の関門
返信が来ない時期は気持ちが折れますが、そこは全員が通る道です。1件ごとの結果に一喜一憂せず、送り続けるほうが早く決まります。家さえ決まれば、あとの手続きは順番に片付いていきます。
FJ
ドイツ在住の日本人エンジニア。英語ゼロからフィリピン留学→ロンドンワーホリ→パリ→ドイツ就職と5年以上の海外生活を経験。世界60カ国以上を旅した一次情報ベースのブログ「FREE JOURNEY」を運営。
英語学習、世界一周、ヨーロッパ就職を綴った著書「世界一周の果て」発売中。
※本記事は2026年8月時点の著者の実体験と公開情報にもとづく一般的な解説であり、法的な助言ではありません。家賃相場・必要書類・審査基準・敷金の扱いは、都市や物件、大家さんによって異なります。また法改正や運用の変更によって内容が変わる可能性があります。契約前には必ず契約書の内容をご自身で確認し、疑問がある場合は各都市の借家人協会(Mieterverein)や専門家にご相談ください。